私たちの生活に欠かせない水。その水がどれだけ汚れているかを示す指標のひとつが「BOD(生物化学的酸素要求量)」です。今回は、このBODと浄化槽の関係について、わかりやすく解説します。1. BODとは?浄化槽とどんな関係があるの?BODとは「Biochemical Oxygen Demand」の略で、日本語では「生物化学的酸素要求量」と呼ばれます。これは、水中の有機物が微生物によって分解されるときに必要とされる酸素の量を示した数値です。この数値が高ければ高いほど、水が有機物によって「汚れている」ことを意味します。浄化槽は、家庭や施設から出る汚水を処理し、BODを下げ、自然環境に放流できるレベルまできれいにします。2. 浄化槽の役割とBODの関係浄化槽の主な役割は、高いBODを持つ汚水を処理して、BODの低い水へと浄化することです。法律では、浄化槽から放流される処理水のBODに基準が定められています。特に合併処理浄化槽の場合、処理後のBODは20mg/L以下に抑えることが一般的な基準です。3. 定期点検がBOD低減に不可欠浄化槽の機能を保ち、BODの基準を満たし続けるためには、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。たとえば、浄化槽法第11条に定められている「法定検査」では、処理水のBOD値もチェック項目のひとつ。適切な維持管理を行うことで、浄化槽がしっかりと機能し続けるのです。4. 浄化槽のBOD値、どこまで下げればいい?BODの放流水基準は、通常20mg/L以下が一般的ですが、地域によってはこれよりも厳しい条例が定められている場合もあります。また、単に数値が低ければいいというものではありません。極端に低すぎる場合、処理のバランスが崩れている可能性もあるため注意が必要です。5. まとめ|BODを知れば、浄化槽の役割が見えてくるBODは、浄化槽が「どれだけ水をきれいにしているか」を表す重要な指標です。水環境を守り、私たちの暮らしを安全に保つためにも、浄化槽の定期的な点検と管理は不可欠です。