はじめに浄化槽は、家庭や事業所の排水を適切に処理するための重要な設備です。しかし、その適切な機能を維持するためには、定期的な法定検査が必要です。本記事では、浄化槽の法定検査の重要性と、保守点検との違いについて詳しく解説します。浄化槽の基本と法定検査の必要性浄化槽は、汚水を分解・浄化して環境に無害な形で排出する装置です。浄化槽の適切な機能を維持するためには、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。特に法定検査は、浄化槽が法律に基づいて正しく機能しているかを確認するための重要なプロセスです。浄化槽の法定検査とは法定検査とは、浄化槽が適切に機能しているかを確認するために、法律で定められた検査です。法定検査を受けることで、浄化槽の故障や不具合を早期に発見し、環境への悪影響を防ぐことができます。検査を怠ると、罰金が科せられることもあります。7条検査の説明- 7条検査とは7条検査は、新たに設置された浄化槽が適切に設置され、機能しているかを確認するための検査です。- 7条検査の対象者とタイミングこの検査は、新設または改築された浄化槽の所有者が対象となり、設置後に1回行われます。通常、使用開始か3ヶ月を経過してから5ヶ月以内に行われます。- 7条検査の具体的な内容と項目設置状況の確認:浄化槽が設計通りに設置されているか機能の確認:各装置が正常に作動しているか水質検査:排出される水の水質検査- 7条検査の費用費用は大きさによって異なりますが、一般的な家庭向け浄化槽の場合は1万1000円です。11条検査の説明- 11条検査とは11条検査は、通常7条検査の一年後を目処に行われ始めます。既存の浄化槽が定期的に適切に機能しているかを確認するための検査です。- 11条検査の対象者とタイミングこの検査は、浄化槽の所有者全てが対象となり、年1回の頻度で行われます。- 11条検査の具体的な内容と項目点検状況の確認:保守点検や清掃が適切に実施されているかの確認水質検査:排出される水の水質検査機能の確認:浄化槽全体の機能の確認- 11条検査の費用費用は大きさによって異なりますが、一般的な家庭向け浄化槽の場合は6000円です。法定検査の流れと手続き- 検査当日の流れ日程:はがきにて点検日時について案内が届きます。(地域ごとに異なる可能性あり)準備:検査員が到着する前に、浄化槽周辺を清掃し、アクセスを確保します。検査:検査員が浄化槽を点検し、各項目をチェックします。- 検査後の報告書と対応検査終了約3週間後に、検査結果報告書が、ご自宅に郵送されます。改善点などを指摘される場合があります。そういった場合には近くの管工事業者に相談することをお勧めします。保守点検との違い- 保守点検の目的と内容保守点検は、浄化槽の日常的なメンテナンスを目的とし、清掃や簡単な修理を行います。- 法定検査と保守点検の違いと補完関係法定検査は法律に基づく厳密な検査であり、保守点検は日常的なメンテナンスです。両者は補完的な関係にあり、両方を適切に行うことが重要です。- 保守点検の頻度と費用保守点検は一般家庭の場合、年3回行われ、費用は数千円から数万円程度で業者によって異なります。法定検査と保守点検の重要性- 両者を適切に行うことで得られるメリット適切な法定検査と保守点検を行うことで、浄化槽の機能を維持し、長期的なコストを削減できます。- 環境保護と公共衛生への寄与浄化槽の適切な管理は、水質保全と公共衛生の向上に貢献します。- 長期的なコスト削減とトラブル防止定期的な点検とメンテナンスは、大規模な修理や交換のリスクを減らし、長期的なコストを抑えます。保守管理業者をお探しのお客様へダイエイテクノ株式会社では愛知県のみで浄化槽の保守点検を行なっております。愛知県内で300以上ある点検業者の中から優良点検事業者に登録されてます。また浄化槽メーカーの関連会社であり、質の高い点検サービスを提供していることが特徴です。こちらのリンクから、または0569-87-5141(平日8時〜18時)にてお問合せください。まとめ浄化槽の法定検査と保守点検は、浄化槽の適切な機能を維持するために不可欠です。特に7条検査と11条検査は法的に義務付けられており、これらを怠るとさまざまなリスクが伴います。適切なメンテナンスを行うことで、浄化槽の寿命を延ばし、環境保護にも貢献しましょう。この記事の監修者小坂 文直(ダイエイテクノ株式会社、浄化槽メンテナンス部所長)保有資格:浄化槽管理士、浄化槽設備士、浄化槽技術管理者、職長・安全衛生責任者。小型から大型まで浄化槽のメンテナンスをダイエイテクノ株式会社にて2016年から行う。年間1500機以上の浄化槽を点検を行う。参考リンク環境省, 浄化槽法第七条及び第一一条に基づく浄化槽の水質に関する検査の項目、方法その他必要な事項について